開発の趣旨

開発の趣旨

シールド工事に用いられるコンクリート系セグメントおよび鋼・コンクリート合成セグメントなどは、
それぞれの形状に合わせた型枠を製作してコンクリートを打設後、
コンクリートに振動などを与えることで締固めて製造するのが一般的です。

一方、ヒューム管の製造方法である遠心力成形法は、
円筒状の型枠を高速で回転して型枠内に打設したコンクリートに
大きな遠心力を作用させコンクリートを締め固めるところに特徴があります。

鋼殻と遠心力締固めコンクリートで構成されるアーマー・ヒュームセグメントは、
製造時に遠心力成形法を用います。
この製造法により打設したコンクリートは、急速に圧密され余剰水が排除されることで
打設前よりも実質的な水セメント比が小さくなるとともに、
通常のセグメントよりもコンクリートの密実性が高くなるため、
高強度で水密性に富む品質のよいセグメントが製造できます。

また、外型枠兼用の鋼殻は、遠心力により締固められたコンクリートを覆うことで内水圧に対応し、
必要に応じてセグメント内面にライニングを施すことにより長期にわたる耐久性や耐腐食性が
向上するなどの付加価値をもたせることができます。

さらにひとつのヒューム管の型枠で一度に2リング以上のセグメントが製造できるため
製造工期の短縮を図ることができ、また、型枠の鋼材量および機械加工面積の削減により
セグメントの低コスト化が可能となります。